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賢狼パニ(ぱにたん)の昔話 第13話 「謎だらけ」

専業トレーダーの孤独な生活

今回のお話の登場人物紹介

賢狼パニ(・∀・)と消息不明のあいつ(`ハ´ )

翌朝、社長と私は車で3号支店へ向かいました。車中は意外と明るい雰囲気で、割と会話も進んだので「よかった。社長はそんなに落ち込んでいない」と感じたほどです。しかしこの考えは甘かったということを3号支店到着前に痛烈に感じる出来事が道中で起こったのです。それは車が高速道路の出口料金所に差し掛かった時でした。

賢狼パニ(・∀・)(心の中) (う~ん?微妙に車の進行方向の軸線と料金所がずれている気がするなあ)

賢狼パニ(・∀・)(心の中) (えっ? えっ?社長は何を考えているだ?おいおい、このままだと完全に料金所に衝突する軸線に乗っているぞ、これは・・・)

賢狼パニ(・∀・) 「ちょっと、社長~、社長~、前、前、ぶつかりますよ」

社長 「うおおおお、うわあ、危なかった~~」

賢狼パニ(・∀・) 「社長、わっちが声を出さなかったら確実に料金所に激突していましたよ~」

社長 「いやあ、すまん。すまん。ちょっと考え事をしていたら、上の空だった」

と、このような状況でして、社長は頭の中でいろいろと考え事をしているようです。3号支店長Y(`ハ´ )の安否を気遣っているのか3号支店の将来を憂慮しているのかは分かりませんが、かなり動揺しているみたいです。賢狼的には状況を整理すると、どうみても自分が臨時で3号支店勤務を命じられるのは濃厚なので、(あ~あ、3号支店長Y(`ハ´ )は何をしでかしたんだ)と心の中でちょっと怒りを覚えました。そうこうしているうちに、どうにか3号支店に到着です。

到着後すぐに全社員を前に社長が言ったセリフ

社長 「今回はちょっとした間違いで、支店長が行方不明になっているが、みんなは安心して業務を続けてほしい。今日から新しい支店長が2号支店から配属になるので、彼の指示に従って業務を継続してくれ。彼は賢狼パニといって、若干28歳だがすでにキャリア8年目のベテランである。本社勤務が長かったけど、我が社で一番優秀な社員だから彼を信頼して頑張ってくれ。じゃあ、賢狼から皆に一言挨拶をしてくれ。」

賢狼パニ(・∀・) (心の中)(はあ?そんな話、聞いてないぞ(ノ`Д´)ノ )

賢狼パニ(・∀・) 「えっと、今日から皆さんと一緒に働く事になりました、賢狼です。よろしくお願いしま~す。」

あまりに突然だったので、部下となる社員を前に、新入社員みたいな挨拶をしてしまった賢狼ですが、社長に対して怒りを通り越して呆れてしまいました。道中に説明してくれてもよかったのに、3号支店に到着していきなりこれです。ただたた、呆気にとられていると、

社長 「じゃあ、パニ、俺は用事があるから先に帰るけど、あとは頼んだぞ」

と言い残して、わずか数分で賢狼の目の前から姿を消してしまいました。こうなると持ち前の明るさでこの場を乗り切るしかありません。さっそく得意のブラックジョークで社員に話しかけます。

賢狼パニ(・∀・) 「誰か(ノ`Д´)ノ がどんな悪さをしたのか知っていますか~?」

と聞くと、社員達が「ふふふ」と笑いました。まあ、こんな感じで業務開始です。帳簿を調べたり、社員一人一人と面接したりと、状況を把握しようと努力しますが何かが変です。ある社員に話を聞けば、彼は居なくなった支店長との約束で来週に退社が決まっていると言います。他の社員はこの2週間は休日も無しに働いているので、休日が欲しいと言います。別の社員に話を聞くと、先月入社したけど支店長と会ったのは数回しかないと言います。じゃあ、誰が現金の管理や決済を担当しているかと聞けば、パートの事務員が「私が担当してます」と言います。

賢狼パニ(・∀・)(心の中)(おいおいおい、年商ウン億円のビジネスの決済を近所から通っているパートの主婦が担当してんのかよ~? どうなってんだ、これ? 現金が数百万円動く日もあるのに、なんでパートが金庫を管理してんだ? (ノ`Д´)ノ はアホか?)

賢狼パニ(・∀・) 「すいませんが、支店長はあなたにどのような指示を与えていたのですか?」

パートさん 「え~、支店長はいつも外出先から電話で私に銀行に行って決済をするように指示していましたよ。」

賢狼パニ(・∀・) 「はあ? 何それ。じゃあ、領収書とか経理帳簿はどうなっているのですか?」

パートさん 「領収書などは金庫の中の箱に入れるだけでいいから、現金が必要なら金庫からお金を出して決済してくれって言われていますけど・・・」

賢狼パニ(・∀・)(心の中)(なんだそれ? 主婦のお財布感覚で社員30名の会社経営が出来るなんて聞いたことないぞ。)

賢狼パニ(・∀・) 「皆さん、状況がよく分からないってことが、大変よく分かりました。わっちもかなり混乱していますが、それなりに考えて指示を出します。前任の支店長と考え方や方針が違うかも知れませんが、その時は黙っていないで、遠慮なく以前はどのようにしていたかを話して下さいね。その都度、調整しながら業務を進めたいと思います。」

賢狼パニ(・∀・)(心の中)(かあ~、社長はこの状況をある程度、知っていたから逃げたんだな。まいったね、こりゃ。)

こんな感じで(ノ`Д´)ノから引き継ぎもなく業務を開始した賢狼ですが、ひとつだけ心の中で注意しようと思った事がありました。

賢狼パニ(・∀・)(心の中)(こりゃあ、どの社員が信用出来て、誰が(ノ`Д´)ノの敵対勢力だったのか見極めないと先に進まないな。(ノ`Д´)ノが業務をおっぽり出して何かをやっていたのは間違いないけど、それを逆手に取って、その間に適当なことをしていた社員が必ずいる筈だからね。)

賢狼は赴任初日にそう感じたのですが、実際その一カ月後までに、退職者3名と解雇2名の人員整理をすることになったのです。
文字数20170524

続きはまた来週φ(.. )

この記事の拍手コメント

2017.05.24 23:10 オプションマン

ワクワク! テカテカ! おもしろいです!実体験はやっぱり面白いですね!進撃の巨人ぐらい面白いです

2017.05.25 16:15 名無しさんサラリーマンとして十分評価されてたんだね。トレーダー目指さないでもう一度サラリーマンとして頑張ってみたら?

コメント

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