このお話(第5話)の登場人物
主任Aさん(`・ω・´)
事務経理Bさん(^ω^)
賢狼パニ(ぱにたん)(・∀・)
賢狼が新会社へ移籍した時代はまだスーパープラネットやパルサーなどAタイプが主流でしたが、当時は32ゲーム連チャンverなど多種多様な裏物ロムを搭載した機種が一世を風靡していた時代です。現在のAタイプスロットを違って一回のビッグボーナスで獲得枚数450枚~500枚は当たり前で、後に世に出てくる「大花火」・「吉宗」などはビッグ一回で711枚の払い戻しという、最高設定6だと機械割が150%を超える夢のような機種が氾濫していた時代でした。
「アニマル」と「リノ」
賢狼が最初にハマったスロットは2-1号機の「アニマル」と「リノ」です。賢狼がこれらの機種を知って打ちだした頃にはすでに一世代前の機種になっていたのですが、独特のゲーム性の虜になりました。
東京都新宿区には無数のスロット専門店があり、アニマルとリノを設置していたお店が当時あって、賢狼はそこの常連客だったのです。なぜこのことを冒頭にお話ししたかというと、このお店の存在こそが賢狼が移籍先の会社にすんなりと溶け込めた要因となったのです。
スロット屋の常連客は移籍先の社員だった
賢狼(・∀・)が移籍した初日に、移籍先の社員の方々の中に「あれ?どこかで見たことのある人が二人ほどいるな?」と感じたのでした。そうです、移籍先の社員さんの中に、賢狼が通っていたスロット専門店の常連客が二人ほどいたのでした。
当時主任だったAさん(`・ω・´)と事務経理担当のBさん(^ω^)です。 さっそく先方も賢狼に気がついて驚いていますが、社長や部長の前では顔見知りとは言えません。彼らはギャンブルをしませんからね。そして、この不思議な出会いから賢狼はAさん(`・ω・´)Bさん(^ω^)と親しくなり、いろいろと仕事を教えてもらうようになったのでした。
社内にはいろいろな趣味のグループがあります。「女の子のいるお店でお酒を飲む人」・「中央競馬」・「マージャン」・「パチンコ」・「スロット」などなど。当然ですが賢狼はスロット愛好家の方々と特に親しくなったのです。そして、社内で暇な時は経理事務のBさん(^ω^)の側で、
賢狼パニ(・∀・) 「ねえねえ、今週末もスロットいきますか?」
Bさん(^ω^) 「俺は、リノの左の島の奥を狙ってるよ」
賢狼パニ(・∀・) 「へえ~、わっちはどちらかというとアニマルの方が好きですね~」
Bさん(^ω^) 「パニたんも本当にスロットが好きだなあ~」
賢狼パニ(・∀・) 「えへ(笑) 」
みたいな会話をしながら、Bさんが一手に引き受けている富士通のオフコンの操作方法や帳票類の印刷方法から、請求書発行の段取りなど、ありとあらゆる事務系のお仕事を休憩時間や業務が暇な時に教えて貰っていたのです。実はこれがきっかけで移籍先に入社してから2年後に賢狼がこの会社で活躍を始めることとなるのです。
そして出世が始まった
入社して二年目のある日、お昼休みに食事の為に外出したBさん(^ω^)がいつまでたっても戻ってきません。社長や主任Aさん(`・ω・´)などがソワソワしていますが、賢狼には状況が分からないのであまり気に留めなかったのですが、結局、その日を境にBさん(^ω^)は二度と会社に戻ってきませんでした。
なにやら怪しげな所から借りたお金の催促が元で、会社から逃げ出してしまったのです。最終的にBさん(^ω^)はちゃんと社長に謝り、退職の手続きをしましたが、それはBさん(^ω^)が居なくなってから数カ月も後の事です。
まだパソコンや携帯電話が普及していない時代です。会社が独自に発注して作らせた500万円以上もするオフコンの操作など誰もわかりません。その為に業務が停滞してしまい、社長や他の社員さんたちも途方に暮れています。ある日のこと、主任(`・ω・´)から「ぱに、お前は(^ω^)とずいぶん仲良くオフコンの前でいろいろと操作を習っていたみたいだけど、どの程度分かるの?」と聞かれたので、
賢狼(・∀・) 「は? 2年間で一通りの業務はすべて(^ω^)から教えて貰ったので、なんでもできますよ。」
と答えると、主任(`・ω・´)が「偉い! お前しかこのオフコンの操作を出来る人がいないから、今日からお前が事務をやれ」と言われたのでした。こうして営業を中心に業務をしていた賢狼でしたが、この日を境に午前中は事務をして、午後から営業に出かけて、夕方から事務をするといった変則勤務が始まったのです。そしてこのことが賢狼をオールラウンドプレイヤーとして育て上げ、出世の階段を少しずつ登り始めたのでした。
コメント