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賢狼パニ(ぱにたん)の昔話 第6話 「表向きは順調な2年間」

専業トレーダーの孤独な生活

今回のお話は1998年頃、新宿駅周辺には携帯電話販売店「HITショップ」がたくさん存在していた時代です。新宿駅西口は今と変わらずヨドバシカメラがドヤ顔で存在感を誇示していますが、新宿駅東口は今は無き「安さ爆発、みんなのさくらや♪」のキャッチフレーズで有名だった「さくらや」が家電量販店の雄として新宿通りの両サイドに複数の店舗を構えていました。

新宿駅前には第一勧業銀行や富士銀行、東海銀行、三和銀行、三菱銀行、さくら銀行など平成生まれ世代にはピンとこない銀行の店舗がずらりと立ち並んでいた時代です。 ちなみにこれらはすべて現在の都市銀行の前身となります。銀行業界は2002年頃から冬の時代となり18行くらいの都市銀行が5行に統廃合されたのでした。

専業トレーダーの孤独な生活

裏が当たり前だった1998年頃のスロット

そのような時代背景の中、年齢が26歳になった賢狼(・∀・)は相変わらず「ねえねえ、今週末はリズムボーイズの裏を打ちにいきましょうよ~」なんて呑気に生活していたのですが、会社の中では大きな変化が起きようとしていました。社員がこの5年間で大幅に入れ替わったことと、大勢の古参スタッフが中堅社員へと成長を遂げたのです。こうなると、社長の鼻息も荒くなってきます。

石橋を叩いて渡るような慎重な経営手腕が売りの社長です。本来なら2~3年前に拡大路線への方針転換を決断してもよかったのですが、念には念をいれて幹部社員の教育を行った結果、賢狼の目から見ても「こりゃあ、アニメの主人公級の凄いスタッフが両手では数えられないほど揃ったな」と感じるくらい、こんなやつ(^ω^)x8、あんな人(`・ω・´)x6、部長級(゚∀゚)x6といった陣容になっていたのです。

こうなると、本社と支社だけではポジションも不足していますし、成功は約束されているのですから経営規模を数段階大きく出来る絶好の機会です。

とりあえず支店を2か所ほど開設することになりました。支社から部長とその部下の課長だったNさんをメインに本社から主任のKさんを投入して事業所を最初に開設します。さらに本社のYさんも支店長として二つ目の支店開設準備を始めました。

支社の人たちと賢狼はあまり面識がありませんでしたが、本社から支店開設の為に選抜された二人は賢狼より後に入社した後輩たちです。この頃の賢狼は本社の事務経理部門を任されていたので外部には出してもらえませんでした。賢狼も お手伝いでいろいろと動いてはいましたが、この頃は本社から出ていく社員たちが花形であり、光り輝いていた時代でした。

そして・・・「賢狼がお手伝いで動いていた」ということが、後に大きな意味を持ってくるのです。

業績絶好調

最初の新規事業所の立ち上げにも成功して、更に二つ目の事業所も無事に立ち上がりました。本社は若干手薄になりましたが、新入社員を大量投入して無難に業務をこなします。まあ、経験2年未満の社員達のことは「量産型」とでも呼ぶ事にしましょう。

連邦軍で言う「ジム」であり、ジオン公国で言う所の「ザク」といったところでしょうか? 賢狼ですか? 当時の賢狼はあちこちの支店や支社の立ち上げ後にお手伝いで飛び回っていたので、連邦軍の「コアファイター」といった感じです。制服はまだブライト中尉みたいに灰色というよりは、ホワイトベースのオペレーターみたいな青って感じですね。

新しい職場の新鮮な雰囲気

新規事業所は新しくてきれいで、社長もいないので働きやすそうでした。どこの会社でもそうだと思いますが、本社などは多少の息苦しさを感じます。その点では、支店や支社はまた別の雰囲気があり、賢狼は心の中で(いいなあ、いいなあ、わっちも本社の外に出たいなあ)と常々感じていたのでした。

そのような状況で、順調に業績は拡大を続けて、本社の前の居酒屋でみんなが集まってお酒を飲む時は「あの時は苦労したなあ」といった話題で盛り上がったものです。

そして二年の月日が流れて・・・

時代は2000年、つまり21世紀になりました。賢狼も27歳の中堅社員です。それでも花形はやはり本社の外で活躍している後輩たちや先輩たちです。最初の頃は割と交流もあった本社と新規事業所や新規支店ですが、時の経過と共にそれぞれの道を歩み始めています。

支社採用や支店採用の量産型スタッフも増え、量産型諸君は賢狼のことをよく知らないみたいです。賢狼はというと、オフコンの操作指導に出向いたり、社長の代わりに帳簿の監査へ行ったりと、数カ月に一度の頻度で、ひとりでフラフラと遊びがてらに支社や支店に顔を出していました。

賢狼(・∀・) 「ちっ~す、うい~す、えへ(・∀・) 、えへ(・∀・) 」

大抵は缶コーヒーを飲みながら、支店長や支社長と話をして帰社していました。量産型とも会話はしますが、賢狼の部下ではないので込み入った話は出来ません。まあ、順調みたいですね。しかし、ここから事態が急変するのです。

第六話 文字数

この記事の拍手コメント

2017.05.03 22:52 nekokuti

NHKBSのあなたが選ぶベストアニメ、面白いw ところで、2000年は20世紀ですよ

賢狼パニ(・∀・) 「テレビを持っていません(TДT) 」

2017.05.04 03:09 名無しさん

いい所で終わるなぁ

2017.05.04 07:29 おたけ

『社長の鼻息も荒くなってきます』って表現イイですね!

コメント

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