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賢狼パニ(ぱにたん)の昔話 第7話 「崩壊と統合」


今回の主要登場人物の紹介

元:支社部長X(エックス)現:1号支店、支店長丶`∀´
元:本社主任Y      現:2号支店、支店長(`ハ´ )
元:カーディーラー社員Z   現:2号支店 副店長(´・ω・`)
賢狼パニ(・∀・)(ぱにたん)  現:本社主任

前回までの簡単なあらすじと状況補足。本社と支社から幹部社員3名と量産型社員多数の人材を投入し、準備期間3年以上の歳月を費やしてやっと1号支店の立ち上げに成功し、更に2号支店の開設にも成功して2年の月日が流れようとしています。

本社ではさらに攻勢をかけるべく、水面下で準備を進めており、立地の選定も既に終了して、40キロ以上も離れた郊外都市に大型の支店設立を目論んでいます。この大型支店は3号支店となる予定ですが、名前は支店でもその中身は本社を上回る規模で、収益性を重視したサテライト支店でして、今後数十年間に渡って利益を出し続ける最重要拠点となる事業所です。

崩壊

それは突然やってきました。ある日の夕刻に1号支店の幹部社員2名が本社にやってきて、社長となにやら話し込んでいます。社長から聞いた話だと「ろくに休日も貰えずに、残業続きで先が見えない。だから辞めます。」と支店の幹部社員は社長に告げたそうです。社長は1号支店長丶`∀´を呼び出し、状況の報告を受けましたが、どうやら支店の幹部社員の言い分の方が正しいようです。

1号支店長丶`∀´はいろいろとプライベートな部分で複雑な状況になっており、支店長の業務を部下にまかせて、早々と帰宅していたそうです。幹部社員たちも最初のうちは快諾して仕事を引き受けたそうですが、その状況が1年以上も続くと、さすがに支店長に対して不信感を抱いたそうで、これを機に退職することを決意したみたいです。

幹部社員といっても、まだ若手で30歳と25歳です。彼らには若い世代なりのライフスタイルがあり、片方は音楽活動で、もう片方も何か趣味があったそうです。突発的な残業や休日出勤が続いても、プライベートな趣味の時間を犠牲にしてまで働いていたのに、1号支店長丶`∀´もプライベートの趣味みたいな物を満喫するために、仕事を部下に押し付けて早々と帰宅していたという、笑えない状況が露呈して、人間関係の修復が困難になった事が引き金となったそうです。

客観的に見ると、支店長も悪いですが、若手もこれを機に退職して自分の夢を追いたくなったのでしょう。風の便りで、退職した1号支店の幹部社員はライブハウスで活躍しているそうです。たしかに新宿という街にある会社にわざわざ就職したのは、アフター5の時間を満喫するに都合が良かったからかもしれません。こうして立ち上げから3年目を迎えることなく、1号支店は現在のままでは立ち行かぬほど人材的に崩壊してしまったのです。

その頃、2号支店では・・・

ほぼ同時期に設立された2号支店では2号支店長Y(`ハ´ )がそれなりに業務をこなしていました。彼は賢狼(・∀・)の後から入社した後輩ですが、彼はお酒が飲めるので社長のお供で飲みに行く機会が多く、社長に気に入られての支店長抜擢だったのです。

賢狼は全くお酒を飲めませんので、社長に10回誘われて1回付き合うといった感じで、夜のお付き合いは苦手な方でした。その点では他の幹部社員たちは皆お酒を飲みますので、賢狼の知らない所でいろいろとアピールしていたのでしょう。彼らが社長から抜擢されることが多かったのはそういった世渡り上手な部分もあったと思います。

店員が絶叫「大当たりスタ~~ト」

賢狼は出世には興味がなく、どちらかというと、例の「ペカッ・キュイイイイン」といった爆音が響き渡る店内で、パチンコ屋店員のマイクパフォーマンスを聞いている瞬間が大好きだったので、夜のお付き合いは少ない方が都合が良かったのです。

低音のガラガラ声で

「いらっしゃいませ、いらっしいませ、歌舞伎町エスパス日拓タワー店にご指名ご来店頂きまして、誠にありがとうございます・・・・3階ジャグラーコーナー1227番台、本日32回目のビッグボーナス、おめでとうございます。」 

「え~続きまして、4階~、当店看板機種コンチ4Xコーナーから~、本日のベスト台685番台~、ドル箱12箱目のRUSHスタートおめでとうございま~す。」

といった例の店内放送です。当時はどこのお店も店員さんが一日中マイクを握って絶叫していた時代です。そりゃあそうですよね、時速5000枚(10万円)を吐き出していた当時のスロットです。

現在のようにリプレイ図柄などは無く、1ゲームあたり純増12枚のボーナスが数時間も連続して続くという夢のような仕様だったからです。あの頃のスロットは・・・遊びではありません(キリッ)

2号支店を三国志に例えると

話は元に戻りまして、2号支店の2号支店長Y(`ハ´ )は三国志で言う「張飛」タイプの武将だったので、社長は不安を感じたのでしょう。副将に副店長 Z(´・ω・`)を任命して補佐役として支店に送り込んでいました。元々はカーディーラーの社員だったのですが転職して入社し、かれこれ15年以上のキャリアを持っていた古参社員の一人です。

賢狼よりも7歳ほど年上ですが、やはり趣味が賢狼と一致したので話が合います。更に賢狼のもう一つの趣味「洋画鑑賞」も副店長 Z(´・ω・`)と同じで、お互いに「今夜は映画を見て、明日はスロット」という恒例の週末を過ごすことが大好きだったのです。

副店長 Z(´・ω・`)は三国志の「徐庶」タイプで営業はからっきし駄目でしたが、経理や帳簿関係と他人をこき使う事に非常に長けており、さすが文官といった感じです。

そして1号支店と2号支店の統合

結局、苦労して立ち上げた1号支店は支店長丶`∀´と支店幹部社員2名のトップ3人がほぼ同時に退職するという、どうにもならない状況に陥ってしまい、2号支店と統廃合することになりました。こうなると賢狼の後輩だった2号支店長Y(`ハ´ )は誰の目から見てもおいしい状況です。

統廃合と言葉で言うのは簡単ですが、実際は煩雑な手続きや社員の再配置など、膨大な時間と労力が必要であり、それを成し遂げた2号支店長Y(`ハ´ )は社長からの信頼も非常に厚いものになりました。最初に2号支店の開設でかなりの苦労をした2号支店長Y(`ハ´ )は、その次の1・2号支店統廃合でも苦労をしましたが、その見返りもかなり大きなものとなりました。

支店長はかなり厚遇されています

支店長は会社組織内では、ほぼ社長と同等の権限を有しており、自分の考えで人事を行えます。求人募集に関しても支店長が自分で面接や採用もできますから、支店のスタッフは支店長の判断基準で採用され、それが理由で支店の雰囲気は支店長の力量に大きく委ねられ、支店長色が色濃く出ます。

また、支店長は対外的に接待などで出歩く事も多く、接待交通費を多い時で月間40万円くらいまでは使えますので、お酒を飲むことが苦にならない人にとっては、ウハウハのポジションです。

賢狼みたいに本社所属の主任では、社長のお膝元にいますから、接待などで動く必要はほとんどありません。それらは社長がやってくれるからです。しかし、本社にいることは出世に大きく影響します。基本的に本社にいると社長から直接評価されますので、将来的に支店長か本社幹部として出世する可能性が濃厚なのです。

逆に2号支店みたいに支店採用で雇用された社員は社長と会う機会が少ないので、若干ですが出世に不利となります。支店採用の社員は支店長にはなれますが、本社の幹部社員になるのはちょっと難しくなります。

そして、接待交通費とは別に福利厚生費として、社員と一緒に食事したり飲みに行ったりする経費も支店長は自由に使えます。この福利厚生費に関しては税理士からの指導があり、節税対策の意味合いもあって福利厚生費を使う事を奨励されていましたから、支店ではかなり豪勢に飲食をしていたみたいです。支店は新宿駅からほど近いので飲み食いする場所に迷うほどです。2号支店長Y(`ハ´ )はこの権限を最大限に活用して、かなり贅沢な夜の活動を行っていたようです。

次回予告  「(仮)平穏な2号支店」
次次回予告 「(仮)社運を賭けた3号支店設立」   賢狼パニ(・∀・) 昔話の更新は来週かな~

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