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賢狼パニ(ぱにたん)の昔話 第15話 「高齢社(笑)」

昔話シリーズタイトル

今回のお話の登場人物

賢狼パニ(・∀・)
元支店長Y(`ハ´ )

社長の目の届かない3号支店で支店長として勤務を開始した賢狼でしたが、問題は山積みです。そうはいっても会社経営で最も重要な要素とは人材です。人材が全てと明言しても過言ではありません。崩壊しかけている3号支店の立て直しには優秀な社員を雇用するか、今いるスタッフに教育をして戦力化するかの二拓しかありません。

元支店長の不正の後始末

わっちが赴任して一カ月の間に、二名の解雇者と三名の退職者がでました。退職者は元支店長Y(`ハ´ )が在籍していた時点で退職することが決まっていた3名ですから彼らの意思を尊重して留意をお願いすることはありませんでした。二名の解雇者に関しては事務系の社員です。彼らは事務所内で元支店長Y(`ハ´ )とかなり長い時間を過ごしていたので、不正に関与していた可能性が濃厚だからです。

解雇者二名が金銭的な不正に直接関与していたかどうかは、証拠がないので白黒の判別は出来ませんでしたが、元支店長Y(`ハ´ )の指示で経理帳簿や銀行口座の管理をしていたのですから、様子がおかしい事は理解していた筈です。その部分に関して賢狼は彼らにこのように聞きました。

賢狼パニ(・∀・) 「はっきりいって、君たちが不正に関与していたかどうかを元支店長が消息不明のままでは証明する方法がない。しかし、様子がおかしいのは明確に分かっていたはずだ。わっちがちょっと調べただけでも、月末月初に入金が確認される取引先の小切手が、なぜ15日に普通口座に入金されている? 複写式の預金口座入金伝票では君たちの筆跡が確認できているが、この会社の経理に携わっていれば15日に入金は絶対に不自然だと分かる筈だよね? この点に関して何か反論はありますか?」

事務経理社員2名 「・・・」

賢狼パニ(・∀・) 「あと、君たちの成果給に関しても不自然です。内勤社員に営業手当が付いているけど、それってありえないよね? 挙句の果てに意味不明な領収書が多数出てきているけど、決済承認確認欄になんで君たちのサインがあるの? この決済承認は支店長しかできないでしょう? それらを考慮するとわっちは君たちと一緒に仕事をする気になれないし、この会社で君たちが働くポジションは無いと思います。」

事務経理社員2名 「・・・」

賢狼パニ(・∀・) 「正直なはなし、現在は目の前の通常業務をこなすので精一杯で、これ以上、内部調査に時間を割く訳にはいかないのです。不正に関しての調査は中止とするので過去の不正は不問とする代わりに、あなた方の雇用も継続出来ませんがそれでよろしいでしょうか?」

事務経理社員2名 「はい。その方向でお願いします」

このような温情判決の形で事務経理社員の二名は会社を去っていきました。これで都合5名の退職者です。問題はここからです。新規に量産型を雇用するにしても戦力化できるまでには時間がかかります。こうなると、賢狼が得意とする既存スタッフの再戦力化しかありません。そこで目を付けたのが高齢スタッフの再活用です。

賢狼が選択したのは既存戦力のレベルアップ

幸いにも3号支店には60歳女性社員と65歳男性社員がいました。元支店長Y(`ハ´ )とは反りが合わずに冷遇されていた彼らですが、一番熱心に働いているのは彼らだと賢狼の目には映っていたのです。そこで彼らを事務所の応接室に呼んで面談です。

賢狼パニ(・∀・) 「ぶっちゃけた話、お二人にはかなり期待しています。そこで提案があるのですが、固定給で35万円をお支払いしますから賢狼の仕事のお手伝いをして貰いたいのです。定年の年齢を越えていますが、72歳までの雇用は約束できますから、どうでしょう?」

60歳と65歳の社員 「 えっ? いいんですか?」

賢狼パニ(・∀・) 「はい。女性の方には経理事務の主任になってもらって、男性の方には営業部長になってもらいます。部下の育成に先輩方の経験と知識を伝えて貰えればと考えています。」

60歳と65歳の社員 「頑張りますので、よろしくお願いします(`・ω・´) 」

こうして再出発した3号支店だったのですが、この采配が見事に的中してその一年後には業績も急回復したのです。とくにこの65歳の男性社員は顔の広い人物で、定年退職した友人知人を3号支店に呼び寄せたのですが、恐ろしいくらい営業力のある人物を引っ張ってきたみたいで、その後の3号支店は営業面で快進撃を続けたのです。

社員の半数が60歳以上の、一見するとなんだか老人クラブみたいな会社になってしまったのですが、高齢者には若手にない粘りがありますから簡単には諦めたりしません。勤務時間と休日の間隔に配慮さえすれば、目を見張る成果をあげてきます。若手社員もこの65歳の営業部長から指導を受けて、徐々にですが仕事のコツを理解したみたいで、3号支店には活気がみなぎってきたのでした。

文字数昔話シリーズ第15話

次回更新はたぶん日曜日かなφ(.. )

この記事の拍手コメント

2017.06.11 18:36 名無しさん

面白いけどみじけーよ 面白いからこそ短いと感じるのかもしれないけど

賢狼パニ(・∀・) 「文字数のカウント掲載を忘れていたので文字数をチェックしたところ、たしかに2000文字でした。これは小説などと比較するとちょっと短かったと反省しています。ただ、この昔話シリーズは一時間で800文字程度しか書けない内容なので、これでもかなり頑張っているのです。今後はもっと頑張ります(`・ω・´) 」

コメント

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